近年、DASH食(ダッシュ食)が話題となっています。
DASH食は、減塩で効果が出にくい方、いわゆる食塩感受性の低い方にも効果的です。
食塩感受性については、下記の記事をご参照下さい。
ただし、DASH食は高血圧症による合併症(※)のない方にのみ勧められます。
高血圧の合併症については、下記の記事で詳細を解説してます。
その他、糖尿病、肥満のある方にも勧められませんので、DASH食を始める際はかかりつけの医師に確認してからにしましょう。
DASH食とは
「DASH」とは「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略です。
DASH食は、血圧を下げやすい栄養素を積極的に摂取し、動脈硬化を進行させやすい飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控えると言うものです。
では、どのような栄養素が血圧を下げやすいのかと言うと、これにはカリウム、マグネシウム、カルシウム、食物繊維、タンパク質があります。
上記の各栄養素を多く含む食品については、以下の記事をご参考にして下さい。
次に、飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
- 飽和脂肪酸・・・生クリーム、鶏肉(皮)、牛サーロイン肉 (肉類の脂や乳製品)
- コレステロール・・・たまご(卵黄)、すじこ、いくら (卵、魚卵、肝、内臓ごと食べる魚等)
(※参考 簡単!栄養andカロリー計算)
以上のようなものがあります。
DASH食には血圧を下げる効果がありますが、減塩を組み合わせることで高血圧症に対する効果がより一層上がりますので、できる方は一緒に取り組むようにしましょう。
DASH食が勧められない方は
冒頭でも書きましたが、腎障害、糖尿病、肥満などの合併症のある方には勧められません。
理由は、腎障害のある方は、カリウムが尿中に排泄されにくくなっているため、血液中のカリウム濃度が高まり、高カリウム血症が出やすくなります。
高カリウム血症では、自覚症状として四肢のしびれや不整脈、吐き気などが出やすくなります。
血液検査により「カリウム値」が基準値よりも上昇していれば、高カリウム血症と判定されます。
また、糖尿病の方は血液中のカリウム濃度が高まると、血糖値を変動させる恐れがあるため、カリウムを多く含む食品には注意が必要です。
肥満の方は、DASH食にすることで、摂取エネルギーが増加してしまう恐れがあるため肥満を助長させる恐れがあります。
一般的に、BMIが25以上を肥満と定義されていますが、筋肉質な方はこれに該当したとしても問題がないこともあります。
主に、肥満が問題となるのは内蔵脂肪型肥満の方です。
BMIの算出式は以下の通りです。
BMI=体重kg/(身長m)2
BMIが22が標準体重とされ、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などが最も少なくなるようです。
その他DASH食にすることによって、現在服用している薬剤との相互作用がある場合もあります。
DASH食を始める際は、かかりつけの医師に確認をした上で行うようにして下さい。
以上、「高血圧の予防と改善が期待できるDASH食(ダッシュ食)とは?」でした。