家庭血圧と診察室血圧はどちらが重要か?

家庭血圧・診察室血圧

薬局で患者様とお話していていつも驚かされるのですが、ご家庭に血圧計を持っておられる方でも、驚くほど多くの方が「家庭では血圧を測っていない」とおっしゃいます。法における高血圧判定の基準くの方は、医師に測定してもらう「診察室血圧」こそ重要であり、家庭で測定する血圧は補助的なのものだと信じておられるのだと思います。

しかし、結論から言うとそれは間違っています。

ペン太
お医者さんに測ってもらう血圧は重要ではないってこと!?

JIN
決して、そういう訳ではありません。
今回は、家庭で血圧測定することがなぜ重要なのか解説したいと思います。

今回の記事は、血圧測定を家庭でも正しく測定できていることが大前提となっています。正しい血圧測定に関しては、下記の記事を参考にして下さい。

血圧測定

血圧を正しく測定するための11ヶ条

2019年7月7日

血圧測定の種類と役割

まず血圧測定には、どのような種類があり、どのような役割があるのか見ていきます。

血圧測定には、診察室で測定した「診察室血圧」、家庭の血圧計で測定した「家庭血圧」、自動血圧計(ABPM)で測定する「自由行動下血圧」があります。

ペン太
ABPM?
自由行動下血圧?
急に難しい言葉が出てきたね・・・。

JIN
確かに難しい言葉ですが、ここでは主に診察室血圧と家庭血圧を対象としているので、分からなくても結構です。
安心して下さい(^^)

診察室血圧

まず診察室血圧は、どのようなものでしょうか?

診察室血圧は本来は「診察室血圧測定法」と言う血圧測定に関する決まりに従って血圧を測定します。

ペン太
診察室血圧測定法?
なんか、これも難しい言葉だねwww
JIN
これは簡単に言うと、

血圧測定する装置はこういうもので・・・
血圧測定する条件はこうこうで・・・
測定方法はこんな感じで・・・
高血圧の判定はこうやって・・・
注意事項はこんなことで・・・

とツラツラと書いたもので、ここにその全てを書くのも面倒になるくらいメチャクチャ厳密なものです。
正直、忙しい現場でそんなことをまじめにやってたら一人の患者を診るだけで日が暮れんじゃないかって内容です。

この指針を厳守した血圧測定は、家庭血圧や自由行動下血圧と同等の臨床的価値があると言われていますが、上記の通り忙しい臨床現場でそのようなことをきちんと遵守して血圧測定されることは少ないです。

このため診察室血圧の臨床的価値に関しては、近年疑問が持たれつつあります。

家庭血圧

その点、家庭血圧は「継続的に」「落ち着いた環境で」「何度も測定が可能」であり、本来の血圧値に近い値を反映していると言われているのです。

このような条件下での血圧測定は、高血圧治療薬の過剰な血圧低下や、逆に薬の効果が不十分であればそれを知ることができます。また、服薬前の血圧測定により薬の効果が十分持続しているかどうかを見ることができます。その他、白衣高血圧や仮面高血圧の1日の血圧変動を捉えることができ、季節による血圧変動も把握しやすくなります。

このように家庭血圧を測定することで、多くのベネフィットを得ることができます。

白衣高血圧と仮面高血圧については、下記の記事をご参照下さい。

診察室血圧

あなたはどのタイプ?家庭血圧と診察室血圧による分類と危険度

2019年7月7日
ペン太
そっか!
血圧測定はたまに測るだけじゃダメなんだね。1日に何回も測ることが大事なんだ。
家庭血圧って「所詮、素人が測る血圧でしょ」って思っていたけど、大切さがちょっと分かった気がする!

自由行動下血圧

自由行動下血圧とは、自由行動下の血圧を15~30分間隔で、24時間または昼間、夜間、早朝などに測定する方法です。

白衣高血圧が疑われる方や測定する時間帯により血圧にばらつきがある方、高血圧の薬が効きにくい方に有効だと言われています。

ペン太
説明が超シンプルだね・・・。
JIN
今回言いたい事と関係のない内容は極力減らして、理解しやすいようにしたいので、シンプルにまとめています。
決して、手を抜いている訳ではないですよ(汗)

家庭血圧と診察室血圧の重要性

上記の理由から家庭血圧は診察室血圧と同等以上の価値があると言われています。診察室血圧だけを信じるのではなく、ご自身で血圧を測定し管理することが重要です。

是非、ご家庭に血圧計がある方は積極的に測定していただければと思います。

仮に、ご家庭に血圧計がない方であっても、血圧の変動や異常値を自身で把握するために、血圧計を置いている施設などで定期的には血圧測定をするようにしましょう。高血圧治療をされている方であれば、少し値段はしますが血圧計の購入を迷わずお勧めします。その際には、手首で測定するものではなく、上腕で測定するものが正確なのでお勧めです。

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各測定法における高血圧判定の基準の違い

家庭血圧がいかに重要かと言うことを説明してきました。

JIN
ここまで読んで下さった方のどのくらいの方が、本当の意味で理解して下さって、明日から家庭血圧を測ろうと思っているのかは気になるところではありますが。
ペン太
危険が迫らないとなかなか行動を起こせない人も結構いるもんね。
でも、僕は家でも血圧を測ろうと言う気になったよ!
JIN
そういう方が一人でも多く増えれば嬉しいです(^^)

次に、診察室血圧と家庭血圧などで、高血圧と判定される基準について見ていきます。

一般の方の認識では、高血圧症は「上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上」だと思われている方が多いのでしょうか?

これは間違いではないのですが、診察室血圧での基準となります。ご家庭で血圧を測定する際は、もう少し厳しい基準となるのです。

以下をご覧下さい。

家庭血圧・診察室血圧の画像

上記の表を見ると、家庭血圧では、診察室血圧より厳しい基準である、135/85mmHg以上で血圧が高値であると判定されることが分かります。

ペン太
なんで家で測ると厳しくなるの!?
せっかく家でも図ろうと思ってたとこなのに、ちょっと不公平じゃない?
JIN
ペン太君は血圧を「お医者さんに測ってもらう時」と「家で自分で測る時」のどちらがリラックスしていますか?
ペン太
そりゃ~、誰もいない家で測る方がリラックスできるよね。
血圧が高いとお医者さんに怒られるんじゃないかって心配になっちゃうし・・・。

リラックスした状態と言うのは血圧は下がる傾向にあります。つまりこれは、家庭では診察室よりもリラックスした状態であることが多く、これによる血圧低下を考慮したものなんです。

ご家庭で血圧を測定する際は、上記の違いも知っておくようにしましょう。

 

以上、「家庭と診察室で測定する血圧値はどちらが重要か?」でした。

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