今回ご紹介させていただく健康食品はコエンザイムQ10です。
現在、高血圧治療薬を服用されている方が、コエンザイムQ10を健康食品やサプリメントとして摂取する場合は、低血圧などの有害事象が現れることがあるため、事前にかかりつけの医師や薬剤師に相談の上で摂取するようにして下さい。
コエンザイムQ10とは
コエンザイムQ10は20代をピークに体内で減少の一途を辿ります。
この理由は、歳をとるにつれて体内で合成されにくくなるためです。
心臓に存在するコエンザイムQ10は40歳ではピークの約70%、80歳では半分以下にまで減少すると言われています。
食事で摂取することは可能ですが、コエンザイムQ10を多く含むと言われるイワシでも1日に約20匹分を摂取しばければ、日本コエンザイムQ協会が推奨する摂取量にはなりません。
コエンザイムQ10は体内でどのように働くのでしょうか?
まず、食事から得られた栄養素を元に、体内で「アセチルCoA」と言う物質が作られます。
コエンザイムQ10は、この「アセチルCoA」からエネルギーを作り出す際に必要な補酵素なのです。
このため、コエンザイムQ10が不足した場合、例えば心臓では、エネルギー不足でポンプ機能が不十分になり、動悸などを起こしやすくなります。
コエンザイムQ10は医療用医薬品でもユビデカレノンと言う一般名(成分名)で、うっ血性心不全の治療薬として使用されています。
コエンザイムQ10は心臓以外にも、腎臓や肺、肝臓にも含まれているため、不足することにより、該当の臓器で機能障害が起こりやすくなります。
血圧低下作用以外にも以下のような作用があります。
- 風邪の予防・治療
- 疲労回復
- 肩こり・冷え性・むくみ改善
- 歯周病の予防・改善
- 肌荒れ改善
- 不妊症改善
コレステロール値を下げる薬の「スタチン系」を服用している方はコエンザイムQ10が不足しやすい
「スタチン系」と言われるコレステロール値を下げる薬を服用されている方は、コエンザイムQ10が体内で減少しやすくなっています。
その理由は、まずスタチン系の薬は、コレステロールが作られる過程で生成されるメバロン酸が合成されるのを阻害します。
コエンザイムQ10は、メバロン酸から合成されるため、スタチン系の薬剤は結果的にコエンザイムQ10の合成も阻害してしまうためです。
これにより、スタチン系のコレステロールの薬を服用している方は、コエンザイムQ10が不足した時に起こりやすい症状(倦怠感や動悸、免疫力低下、肩こり、冷え性など)が出やすくなります。
コエンザイムQ10を摂取する際の注意点
コエンザイムQ10には「還元型」と「酸化型」がありますが、体内で利用される形は「還元型」です。
通常、酸化型のコエンザイムQ10が体内に入ってきた場合、体内で還元型に変換することで利用できるようにします。
ただ、この変換能力が高齢者などでは低下しているため、高齢者では直接体内で利用できる形である還元型コエンザイムQ10を摂取して頂いた方が効果的なのです。
しかし、通常は還元型コエンザイムQ10は酸化型コエンザイムQ10より高価ですので、若い方には酸化型コエンザイムQ10がおすすめです。
コエンザイムQ10には血圧低下作用があるため、高血圧治療を受けている方は、摂取前にかかりつけの医師や薬剤師に相談した上で摂取するようにして下さい。
また、コエンザイムQ10やαリポ酸には、まれに低血糖を起こす可能性があるため、特に糖尿病の治療をされている方などはかかりつけの医師に確認してから服用するようにしましょう。
以上、「血圧低下作用のある素材(キチン・キトサン、コエンザイムQ10)」でした。
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