市販の風邪薬は血圧上昇の副作用の恐れあり

風邪薬・高血圧

タイトルで「市販の風邪薬」とありますが、今回は市販の風邪薬などに主に配合されている「交感神経刺激薬」が血圧を上げる副作用があることについて投稿します。

血圧上昇を起こしやすいものの一覧として、「高血圧患者が注意すべきもの~まとめ~」で「交感神経刺激薬」と記載していますが、交感神経刺激薬は医療用医薬品(主に処方箋により薬局で調剤される薬)でも一般用医薬品(市販薬)でもよく使用されることがあり、高血圧患者が服用する際には、かかりつけの医師や薬剤師に服用の可否について確認が必要です。

医療用医薬品の交感神経刺激薬(風邪薬など)

血圧上昇作用のある交感神経刺激薬の主な医療用医薬品は以下の通りです。

薬効分類 一般名(※) 商品名(先発医薬品)
点鼻用局所血管収縮剤 ナファゾリン硝酸塩 プリビナ液
点鼻用局所血管収縮・副腎皮質ホルモン合剤 塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン コールタイジン
眼科用局所血管収縮剤 ナファゾリン硝酸塩 プリビナ点眼液
開放隅角緑内障・高眼圧症治療点眼剤 ジピベフリン塩酸塩 ピバレフリン
気管支拡張剤 ツロブテロール ホクナリン
プロカテロール塩酸塩水和物 メプチン
サルメテロールキシナホ酸塩 セレベント
切迫流・早産治療剤 リトドリン塩酸塩 ウテメリン
鎮咳・鎮痛・解熱剤 dl-メチルエフェドリン塩酸塩・ジヒドロコデインリン酸塩・ジプロフィリン配合剤 カフコデ
鎮咳剤 dl-メチルエフェドリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩・ジヒドロコデインリン酸塩 フスコデ
アレルギー性疾患治療剤 フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン ディレグラ

(※ 一般名とは、薬剤の主成分の名称となります。)

薬効分類だけでは、何の治療薬なのか分かりにくいものもあるかと思いますので、少し付け加えさせて頂きます。

プリビナ液とコールタイジンは鼻づまりなどを改善する点鼻薬で、ディレグラは鼻炎症状を改善する飲み薬です。

高血圧症がある場合は医師や薬剤師に伝えた上で、使用に問題はないか適切に判断してもらうようにしましょう。

プリビナ点眼は、目の充血を改善する目薬です。

「目薬なら大丈夫だろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、動物実験では血圧を上げたと言う報告があり、高血圧治療を受けている方には注意が必要です。
(プリビナ点眼は、点鼻薬であるプリビナ液と比較すると血圧上昇の副作用の頻度は少なく、人体に対する臨床試験では血圧上昇の副作用の報告はありませんでした。)

ホクナリン、メプチン、セレベントは喘息や肺気腫などを改善する目的で使用されるお薬です。

カフコデやフスコデは風邪を引いた時に処方されることがあります。

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市販薬(一般用医薬品)の交感神経刺激薬(風邪薬など)

交感神経刺激薬は、市販薬では風邪薬鼻炎薬などに多く配合されています

以下に主な商品を一覧にしています。
(平成29年12月27日時点)

薬効分類 交感神経刺激成分 商品名
血管収縮剤(点鼻薬) 塩酸テトラヒドロゾリン アネトンコールタイジン
アルガード鼻炎クールスプレーa
ベンザ鼻炎スプレー
ナファゾリン塩酸塩 カイゲン点鼻薬
クールワン鼻スプレー
ナザールスプレー
パブロン点鼻
ナザールスプレー
エージーノーズアレルカット
新ルル点鼻薬
鼻炎用内服薬 塩酸プソイドエフェドリン コンタック600プラス
パブロン鼻炎速溶錠
プレコール持続性鼻炎カプセルL
フェニレフリン塩酸塩 コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル
ストナリニS
鎮咳去痰薬 トリメトキノール塩酸塩水和物 フストールシロップA
新カネドリン錠
新トニン咳止め液
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 アネトンせき止めZ液
プレコール持続性せき止め
ベンザブロックせき止め
 パブロンSせき止め
 クールワンせき止めGX
改源咳止液W
クールワンせき止めGX液
風邪内服薬 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 ベンザブロックS錠
エスタックゴールドA錠
カイゲン顆粒
コンタック総合感冒薬EX
 新ルルA錠
 新ルルAゴールドDX
エスタックイブ
エスタックイブファイン
パブロンエース錠
パブロンエースPro錠
ルルアタックEX、NX
ストナアイビージェル
パブロンメディカルC、T
ベンザエースA
プレコール持続性カプセル
塩酸プソイドエフェドリン パブロンメディカルN

交感神経刺激薬を含む市販薬は、上記の風邪薬や鼻炎薬などの他にもたくさんあり、ここで記載している商品はその中のごく一部です。

また、これらの風邪薬などの商品の中には交感神経刺激薬以外の血圧を上げる副作用がある成分が配合されていることもあります。

ここでは、交感神経刺激薬以外の血圧を上げる恐れのある成分が含まれていたとしても、交感神経刺激薬のみ記載していますので、各商品の詳細な注意事項については薬剤師や登録販売者にご確認の上で購入するようにして下さい

市販薬において、どのような薬なのか、どのような成分が入っているのか、どのような注意事項があるのかなどを確認をされたい場合は、「一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索  独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」の検索サイトで添付文書をご確認頂く方法もあります。

交感神経刺激薬を服用する場合は

まず、高血圧治療を受けている方は、市販の風邪薬などを自己判断で服用すべきではありません。

病院で受診をして、服用している薬を伝えた上で適切な処方をしてもらうことがベストです。

市販薬の風邪薬などの交感神経刺激薬が入った薬を服用する場合は、血圧を自己測定しておき、薬を服用後に血圧が上昇するなどの副作用があれば、薬を中止し、受診をするようにしましょう。
(血圧を正確に測定する方法については、「血圧を正しく測定するための11ヶ条」をご参照下さい。)

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交感神経刺激薬による副作用

風邪薬などに含まれる交感神経刺激薬の副作用は血圧上昇だけではなく、不眠目の痛み動悸めまい震えなどの様々な副作用が現れることがあります

もし、そのような事があれば使用を中止して、かかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

血管収縮剤の点鼻薬は、即効性があり、鼻づまりを改善する作用は強いですが、1日に定められた用法用量を超えて使用したり、長期間を継続して使用した場合は、鼻づまりが悪化することがありますので用法・用量は守るようにしましょう。

もし、血管収縮剤の使い過ぎにより鼻づまりの悪化が生じてしまった場合は、薬剤の使用を中止することが重要です。

しばらくの間(約1~2週間)は鼻づまりが悪化した状態が継続しますが、その後鼻づまりが改善していきます。

 

以上、「市販の風邪薬は血圧上昇の副作用の恐れあり」でした。

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