あなたはどのタイプ?家庭血圧と診察室血圧による分類と危険度

診察室血圧

家庭では血圧が正常範囲内なのに、病院や健康診断では血圧が高くなってしまうと言う方はいないでしょうか?

またその逆で、病院や健康診断では正常範囲内であるのに、家庭で測ると高くなると言う方もいらっしゃると思います。

このようなことは実はよくあることなのですが、今回はそのような方のうち、どのようなタイプが、なぜ危険であるのか解説します。

今回の記事は、血圧測定を家庭でも正確に測定できていることが前提となっています。

正しい血圧測定に関しては以下の記事をご参考にして下さい。

血圧測定

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家庭血圧と診察室血圧による高血圧の分類

高血圧症は、家庭血圧診察室血圧の関係により4つのタイプに分類されます。

  1. 家庭血圧診察室血圧正常・・・正常域血圧
  2. 家庭血圧正常だが、診察室血圧高い・・・白衣高血圧
  3. 家庭血圧高いが、診察室血圧正常・・・仮面高血圧
  4. 家庭血圧診察室血圧高い・・・持続性高血圧

この関係を図にすると以下のように表すことができます。

(※参考 高血圧治療ガイドライン2014|日本高血圧学会

正常域血圧

始めに、診察室で血圧を測定しても、家庭で測定しても、血圧値が正常範囲内にある方は「正常域血圧」と言います。

正常域血圧の方は、当然現時点では問題はないです。

しかし、中には比較的血圧が高めな「正常高値血圧」に該当する方もいらっしゃいます。

正常高値血圧に該当する方では、将来的に高血圧に移行する可能性が高いため、生活習慣の見直しをして積極的に血圧が下がるように工夫をしなければいけません。

家庭での血圧測定をできれば毎日するようにしましょう。

毎日はできない方でも、正常高値血圧に該当する場合は定期的には血圧測定をする必要があります。

白衣高血圧

次に、診察室で血圧を測定すると高く家庭で測定すると正常範囲内である場合は「白衣高血圧」と言います。

白衣高血圧は、病院などの診察室で白衣を着た人物を見たりすることで、緊張したりストレスを感じてしまい、血圧が一時的に上がってしまうものです。

診察室血圧で140/90mmHg以上の高血圧と診断された患者15~30%が白衣高血圧に相当し、高齢者に多いと言う特徴があります。

血圧が上昇することで問題となることは、脳や心臓、腎臓などの臓器における血管に負担がかかり臓器障害を起こすことにありますが、白衣高血圧は血圧の上昇が一時的なため、血圧上昇による腎臓などの臓器障害が少ないと言われています。

このため、心臓の血管の障害も起こりにくいため、心筋梗塞などに発展することも少ないです。

ただ、この白衣高血圧は後述する持続性高血圧糖尿病になりやすいため、その点で注意が必要です。

自由行動下血圧を測定することが、診断では有用であると言われています。
(自由行動下血圧については「家庭血圧と診察室血圧はどちらが重要か?」をご参照下さい。)

仮面高血圧

白衣高血圧とは逆に、診察室血圧正常であっても、家庭血圧高い場合は、「仮面高血圧」と言います。

仮面高血圧は、診察室や健康診断では血圧が正常範囲内であるにも関わらず、家庭血圧や職場での血圧が高い状態であり、本当は高血圧であるのにその状態が検査では分かりにくいため「かくれ高血圧」とも言われます。

正常域血圧である方の10~15%、140/90mmHg未満にコントロールできている高血圧治療中の患者様の約30%が仮面高血圧に相当すると言われています。

仮面高血圧は血圧の上昇する時間帯により、「早朝高血圧」と「昼間高血圧」と「夜間高血圧」に分類されます。

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仮面高血圧には、高血圧症の治療をされていない方と、高血圧症の治療中で薬の持続時間が短いため薬を服用する前のタイミングで高血圧になっている方の二通りの方がいます。

最も問題となる点は、高血圧であるにも関わらず治療されずに放置されやすいと言う点です。

診察室で測定した血圧が正常範囲内であるため、医師は現在の治療薬で、血圧コントロールが良好であると判断してしまい、医師による高血圧治療を受けているにも関わらず臓器障害や動脈硬化などが進行してしまっていると言う事があります。

仮面高血圧はリスクが高く、後述する持続性高血圧と同程度のリスクがあると言われています。

持続性高血圧

最後に、家庭でも診察室でも血圧が高い場合を「持続性高血圧」と言います。

この場合、常に血圧が高くなっているため、危険な状態であることは言うまでもないと思いますが、持続性高血圧を放置すると、動脈硬化心筋梗塞脳卒中などを発症したり進行しやすくなります。

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まとめ

上記をまとめると、最も危険な高血圧症は「仮面高血圧」と「持続性高血圧」であると言えます。

仮面高血圧が危険な理由としては、診察室で測定した一時的な血圧では正常と判断されてしまい、高血圧状態にあるにも関わらず治療が放置されてしまい、高血圧による重大な合併症につながりやすいためです。

持続性高血圧は、常に高血圧の状態であるため、合併症が進行しやすく危険な状態です。

ただし、白衣高血圧は将来的に持続性高血圧を引き起こすことがあるため、定期的に家庭血圧を測定して高血圧になっていないか確認するようにしましょう。

家庭血圧を自己管理するためには、「血圧手帳」が非常に有用です。

血圧手帳は、処方箋を受け付けている薬局などで無料で貰う事ができます。

 

以上、「危険なのはどのパターン?家庭血圧と診察室血圧による分類」でした。

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