高血圧症のことを知ってもらう上で、高血圧患者がどのくらいいるのかを知ることは重要です。
今回は特に40代に焦点を当てて解説したいと思います。
国内全体では高血圧患者はどのくらいいるのか
古いデータになり恐縮ですが、NIPPON DATA2010および平成22年国勢調査から国内に高血圧患者は約4300万人と推計されています。
内訳は、男性が約2300万人、女性が約2000万人です。
2010年における人口が約1億2800万人であることから、実に約3人に1人が高血圧であることがお分かり頂けるかと思います。
しかし、この数字の分母は日本人全体であることから、生後間もない赤ちゃんも含めた数字となります。
分母を成人に限ると、さらに割合が高くなります。
高血圧治療を受けていない患者が多い
高血圧患者の多さはお分かり頂けたのではないかと思います。
では、そのうち治療を継続して受け続けている患者はどの程度なのでしょうか?
厚生労働者の「平成26年患者調査の概況」によれば、高血圧治療を継続的に受けていると推測される患者数は1010万800人とされています。
性別の内訳は、男性が445万人、女性が567万6000人となります。
上述した通り、国内に高血圧患者が4300万人いることを考えると、約4人に1人しか治療をしておらず、約4人に3人は治療を受けずに放置していると推測されます。
この部分だけを読んでしまうと
「そんなにたくさんの人が高血圧を放置してるのなら、自分も治療を受けず放置しても大丈夫なんじゃないか」
と思われた方は意外と多いのではないでしょうか?
断言しておかなければなりません。
高血圧症は放置してしまうと、ほとんど自覚症状もなく動脈硬化が進行していき、結果的に致命的な危険が起こる可能性がある病気なのです。
そして、致命的な危険から何とか助かったとしても、それが起きた後では、生活の質は以前と比較すると非常に悪化することが多いのです。
40代での高血圧患者の割合は
以下に世代別の高血圧患者の割合を表にしています。
30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | |
総数 | 8.7 | 22.2 | 40.0 | 56.3 | 71.5 |
男性 | 19.3 | 35.8 | 52.8 | 67.3 | 72.2 |
女性 | 2.8 | 15.7 | 33.1 | 48.1 | 70.9 |
(※平成27年国民健康・栄養調査|第2部身体状況調査の結果より)
この表を見ると、40代男性では約3人に1人が高血圧であり、女性でも40代では15%が高血圧であると言うことが分かります。
総数では、60代で半数以上が高血圧であり、60代なのに高血圧ではないと言う方は、むしろ少数派であると言えます。
今までに「正常高値血圧」と言う言葉を聞いたことがある方はどのくらいいるでしょうか?
一般的に高血圧患者には入らないが、正常域血圧の中では血圧が高めでリスクがある方です。
「高血圧予備軍」とも言われ、生活習慣を見直さずにそのままの生活を継続すると高血圧症になる確率が高いと言われています。
以下のようなデータもあります。
厚生労働省発表の「平成18年 国民健康・栄養調査の概要」によると、「高血圧症有病者」は約3,970万人、「正常高値血圧者」は約1,520万人で、合計すると約5,490万人でした。
(※引用元 生活習慣病の調査・統計 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会)
正常高値血圧の方を合わせると、日本は国民の約2人に1人が血圧が高めであると言えます。
現代は高齢化が急速に進んでいますが、これに伴い高血圧患者も今後増加していくのではないかと推測されています。
生活習慣を改めることで将来の生活が変わる
高血圧症になると一般的に寿命は短くなりますが、将来の生活の質も大きく低下しやすくなります。
例えば、高血圧症では脳梗塞や心筋梗塞などが起こりやすくなります。
血圧が高いことだけでは自分やご家族の生活が変わることはないでしょう。
しかし、脳梗塞や心筋梗塞が起きてしまえば、「自分だけでなく、家族の人生までも変えてしまうのではないか」と誰でもすぐに分かるはずです。
だからこそ、高血圧を甘く見ないで、しっかりと予防や治療をして欲しいと思います。
幸い、高血圧症は一部のごく少数の高血圧症を除き、生活習慣の見直しにより著明な改善効果が期待できる病気です。
多くの方は、この事を知っていますが、それを実行には移しません。
「食事や運動を毎日気を付けるのは、正直めんどくさい・・・」
「高血圧症だけど、薬を飲んでると落ち着いてるし、このままで大丈夫だろう」
と考えている方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
私は、そう思っていない少数派の患者様が、生活習慣の見直しにより「薬が要らない生活」「健康な生活」を取り戻した事実を知っています。
近年、「人生100年時代」と言われるように、平均寿命はますます伸びています。
しかし、重要なのは「健康寿命」なのです。
現在、高血圧症であってもなかろうとも、来年でもなく、一か月後でもなく、「今」から高血圧とどのように向き合うかによりあなたの今後の人生が変わってくるはずです。
当ブログでは、そのために役立つ情報を発信していきます。
以上、「40代の高血圧患者はどのくらいいるの?意外な事実が分かった話」でした。
40代くらいで血圧が高くなる人でいるのかな?