血圧の上下の差が50以上で危険!?血圧の開きすぎが危険な理由

血圧・上下の差

「上下の血圧が開き過ぎるのは良くない」と言う事は聞いたことはないでしょうか?

薬局で患者様のお話を伺ってると、「先生に血圧が開きすぎだと言われたけど、血圧が開きすぎると良くないのはなぜ?」などと言われることがあります。

今回はその理由と、具体的にどの程度血圧が開いていると危険なのか解説します。

血圧の上下の差が大き過ぎるとダメな理由

この理由を考えるには、血管が動脈硬化を起こしている時に、心臓収縮拡張によりどのような事が起こるのか考えれば分かります。

心臓が収縮した時にどのような事が起こるか

正常な血管で心臓が収縮した場合

動脈を起こした血管で心臓の収縮によりどのような事が起こるのかを考えるには、まずは動脈硬化を起こしていない正常な血管では、心臓の収縮によりどのような事が起こるのかを考えます。

心臓が収縮した時に一気に心臓から血管に血液が流れていきますが、正常な血管では弾力性があるため、血管が膨らむことにより血管内での血液の貯留量を増やすことができます。

血圧とは、血液が血管壁を押し広げる圧力でした。

血圧の画像

そもそも血圧とは何か?

2019年7月5日

この血管が膨れることにより、血液が血管壁を押す圧力、すなわち血圧を緩和し、急激な血圧の上昇を防いでいます。

動脈を起こした血管で心臓が収縮した場合

次に、動脈硬化を起こした血管で同じことが起こった場合を考えます。

動脈硬化の起きた血管では、細い動脈では血管内が狭くなります。

太い動脈では、血管自体が硬くなってしまいます。

細い血管では血管が狭くなることで、心臓の収縮時に血管内での血液の貯留量が減るため血圧が上がります。

太い血管では血管が硬くなることによって、心臓の収縮時に血管が膨張することができなくなり、血管内での血液の貯留量を増やすことができなくなるため血圧が高くなります。

心臓が拡張した場合

正常な血管で心臓が拡張した場合

心臓が拡張した場合も、まずは正常な血管ではどのようなことが起きているのか見ていきます。

正常な血管では、心臓が収縮した時に血管内で溜めていた血液が心臓に送られるため、心臓が拡張した時にも一定量の血液が血管内に残り、血圧が急激に下がることはありません。

動脈を起こした血管で心臓が拡張した場合

しかし、動脈硬化を起こして硬くなった血管では、心臓の収縮時に血管内に貯留していた血液が少ないため、心臓の拡張時には血圧が急激に下がります。

上下の血圧が開くと動脈硬化が疑われる

従って、収縮期血圧上の血圧)と拡張期血圧下の血圧)の開きすぎは動脈硬化を起こしている可能性が高くなるため、危険だと言われるのです。

ちなみに、拡張期血圧(下の血圧)は90mmHg以下であるのに、収縮期血圧(上の血圧)が、140mmHg以上の場合は、「孤立性収縮期高血圧」と言います。

孤立性収縮期高血圧については、以下の記事をご参照下さい。

孤立性収縮期高血圧に該当する方は、動脈硬化を起こしている危険性が比較的高いと言えます。

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血圧値の上下の差はどの程度開くと危険か

 

血圧の上下が開きすぎと動脈硬化が疑われる事が分かりました。

では、具体的にどの程度開くと異常が疑われるのでしょうか?

血圧の上下の差を「脈圧」と言います。

脈圧の正常範囲に関しては信頼できる資料が少なく、インターネットで検索すると、「正常範囲は40~60mmHg」と記載されているサイトもありましたが、根拠文献の記載はなく、信頼できるかは不明でした。

そのような中で、「血圧指標の一つの脈圧と脳卒中発症との関連について | 国立研究開発法人 国立がん研究センター」では、脈圧と脳卒中発症との関連を調べた報告がありました。

これによれば、脈圧50mmHgを超えるとどの程度超えているかに拠らず、脳卒中を発症する危険性が高まることが示されています。

そして、この危険性の上昇は、正常域血圧と呼ばれている140/90mmHg未満で現われると記述されています。

意外にも、高血圧患者ではなく、正常域血圧の患者に起こりやすいのです。

一方、「フラミンガム研究」によれば、50歳代くらいから、収縮期血圧(上の血圧)は年齢とともに上昇していくのに対して、拡張期血圧は年齢とともに低下していくため、50歳代から脈圧上昇すると報告されています。

そして、若年の頃から血圧が高い方ほど、年齢の増加に伴う血圧上昇が大きいことが証明されています。

その他、脈圧に関して以下のような文献もありました。

正常範囲の目安としては、およそ30~40mmHgと思われる。高齢者では、上限がこれより若干高くなる。
-(中略)-
脈圧の上昇度は、老化のマーカーであるが、一方ではその大きさが心血管疾患系の危険因子となる。
(※引用元 小林 利男:脈圧測定の臨床. Arterial Stiffness: 動脈壁の硬化と老化(8),12-13(2005.09))

私なりにまとめると、正常域血圧であったとしても、脈圧50mmHg以上では動脈硬化から心血管疾患危険性は上昇するため、脈圧がそれ以上の方は予防が必要です。
(心血管疾患とは心臓・血管など循環器における疾患で、心筋梗塞や不整脈などが該当します。)

特に、50歳代くらいから脈圧は開きやすくなります。

また、若年の頃から血圧が高めの方は年齢を重ねるほど、血圧が高値ではない方よりも血圧が上昇しやすい傾向があります。

このような事が言えると思われます。

血圧を正確に測定する方法に関しては以下の記事もご参照下さい。

血圧測定

血圧を正しく測定するための11ヶ条

2019年7月7日

 

以上、「血圧の上下の差が50以上で危険!?血圧の開きすぎが危険な理由」でした。

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