しかし、多くの現代人にとってそれは困難なことです。
日本人の健康状態は悪化している
昔よりも豊かになっているはずの現代ですが、残念ながら日本人の健康状態は良くなっているとは言えません。
その理由として、「肥満」の増加があります。
厚生労働省では「健康日本21(第二次)」を平成25年度から10年間の計画で、具体的に達成数値目標をあげて推進しています。
この「肥満者の割合」を見ると、男性では平成25年では29.0%であったのが、平成29年では32.8%となり、女性では平成25年で19.6%であったのが平成29年では22.2%と増加しています。
「野菜摂取量」を見ると、平成25年では283gで、平成29年では288gと微増こそしていますが、ほぼ横ばいであり、目標値の350gから比べると大きく不足していることが分かります。
「日常生活における歩数」では、20~65歳の男女及び、65歳以上の男女の全てにおいて平成25年よりも平成29年で減少しています。
このように、生活習慣の悪化は年々進んでおり、当然ですが肥満者が毎年増加しているのです。
野菜も食べるようにはしてるけど、少な目だね。
肥満者がどのくらい生活習慣病にかかっているのか
肥満者が生活習慣病にかかると、そうではない方と比べて心筋梗塞や脳梗塞などの健康リスクは高くなる傾向があります。
メタボリックシンドロームの診断基準については、以下の記事を参考にして下さい。
メタボリックシンドロームの診断基準の該当項目が増えれば増えるほど、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクは高まります。
高血圧患者は国内に約4300万人いると言われており、糖尿病患者は予備軍を合わせて、約2000万人と言われています。
肥満者がどのくらい生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)にかかっているのかを表にすると以下の通りとなります。
肥満のみ | 約20% |
いずれか1つのみかかっている | 約47% |
いずれか2つのみかかっている | 約28% |
3つともかかっている | 約5% |
「※出典 厚生労働省:生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会 第1回資料」
この通り、肥満者は生活習慣病にかかりやすく、健康リスクも高くなりやすいと言うことが分かります。
肥満が増える原因
三大栄養素と副栄養素のアンバランス
肥満が増える原因として、三大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)と副栄養素(ビタミン、ミネラル、食物繊維)がアンバランスを起こしている事があります。
人間はカロリーとなる3大栄養素と、それを吸収・利用・排泄を行うのに必要な副栄養素のバランスが取れていると代謝がうまくと言われています。
しかし、3大栄養素の過剰摂取と、それらを代謝する副栄養素が不足することで、代謝がうまくいかなくなり、代謝しきれない余剰カロリーが脂肪として蓄えられ「肥満」となります。(3大栄養素の中でも、特に糖質が悪影響を与えやすいことが分かってきています。)
加工食品は年々増えていますが、これらはビタミン・ミネラル・食物繊維の副栄養素を失い、カロリーのみが残っている傾向があります。
このため、加工食品を多く摂取する方は、ビタミン・ミネラル・食物繊維を積極的に摂取する必要があると言えます。
肥満者では遺伝子が異常を起こしている!?
また、近年の研究でエネルギー代謝を正常にコントロールし、痩せる方向に導く遺伝子がある事が分かってきました。
この遺伝子が異常を起こしているものを「倹約遺伝子」と言い、この遺伝子を持つ人は1日当たりの基礎代謝量で見ると、通常より200Kcal少なく、太りやすく、痩せずらい体質であると言えます。
日本人は、倹約遺伝子を持っている方が約35%で多いとされています。
サプリの必要性
なぜ栄養バランスが悪化するのか
基本的には、食事で栄養バランスを満たすことが理想だと言えます。
しかし、現代の多くの方にとってそれは困難な環境があります。
ストレスや長時間労働などの生活習慣を悪化させる社会環境
↓
これを紛らわせるためにお酒やタバコを吸ったり、過剰に食べる
↓
栄養状態のアンバランスが起こる
このような順序で生活習慣はより悪化していきます。
この栄養状態のアンバランスを改善するために、サプリが必要なのです。
安いサプリは効果がないのか
ただし、価格が安いか否かではなく、信頼できる商品を選ぶことが重要だと言えます。
中には、内容に対して著しく高価な値段をつけて、さも効果があるように宣伝をして販売している商品もあります。
また、「健康食品は安全か?信頼できる表示とは」で書いている通り、サプリや健康食品は販売業者が独自に「健康食品」として販売しているだけなので、第三者による認定や許可を受けている訳ではありません。
このため、「記載された含有量が入っていない」「異物が混入している(医薬品成分などの混入で健康被害が出た事例あり)」などの問題が過去に多く発生しています。
その上で、「GMPマーク」「ハイクオリティ認証」「JHFAマーク」などは信頼性を判断する上で重要な指標になります。
これらのマークがある商品はそうではない商品と比較して少し割高になることはありますが、それのみで極端に割高になることはないはずなので、信頼性に対するコストと割り切り、極力これらのマークがある商品を選ぶのがお勧めします。
サプリや健康食品は、長期間継続して摂取するものなので、身体に良いものだと思って飲んでいたはずが、身体に害のあるものであったと言うことは絶対に避けなければなりません。
ただし、注意して頂きたいのは、これらのマークは「効果」に対する補償ではなく、含有量や均一性や異物の混入などの「品質」に関する保証だと言うことです。
効果があるのかどうかは、安い商品かどうかではなく、使用する方の体質や生活環境などで変わってくるので、「使ってみないと分からない」と言うことになります。
サプリを摂取する上で新しい考え方の「ヘルスプロモーション」
健康維持や病気予防に関する新しい考え方として、「ヘルスプロモーション」と言う概念があります。
今まで「生活習慣病を見直す」ことが多くの方にとって困難であった理由として、「~をしないようにする」とか「~を制限する」と言うネガティブなものであったことがあります。
しかし、ヘルスプロモーションは、「より良い習慣を現状にプラスする」と言ったポジティブな概念です。
このため、多くの方が継続しやすく、継続することにより結果的に悪い習慣もやめれてしまうと言うことがよくあるのです。
サプリを摂取すると言うことは、まさに「自身に足りていないもの(習慣)をプラスする」と言うことであり、多くの方にとって継続しやすいことなのではないでしょうか?