フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)を飲んだ時の嘔吐や吐き気、胃の不快感・・・つらいですよね。
「処方された薬なので、この苦痛を我慢して飲まなければいけない・・・」
そのつらさは、この経験を味わった方でなければなかなか理解できないと思います。
ここでは、以下の点について解説しています。
- フェロミアで起こる副作用
- なぜそのような副作用が起こるのか
- フェロミアで起こる副作用の対策
- フェロミアで得られる貧血改善以外の効果
- フェロミアと飲み合わせの悪い医薬品や注意すべき医薬品
フェロミアの成分名は「クエン酸第一鉄ナトリウム」と言う名称であり、ジェネリック医薬品で服用されている方は、この成分名の後にメーカー名がついた名称になっているかと思います。
例えば、クエン酸第一鉄Na錠50mg「サワイ」と言った感じです。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)のつらい副作用
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の添付文書上の副作用は
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の副作用は嘔吐や吐き気、胃の不快感の他にも、添付文書に以下のように記載されています。
想定されている通り、吐き気や嘔吐が5%以上と圧倒的な頻度で起こっているのが分かります。
胃の痛み、便秘、胸やけなども0.1~5%未満とかなりの頻度で起きています。
フェロミアを処方されて、副作用に悩んでいる方はあなただけではなかったと言う訳ですね。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の添付文書にはない副作用
フェロミアには、添付文書には直接的に記載されていない副作用があります。
サプリや医薬品で鉄分を長期間、用量を超えて摂取した場合には鉄の過剰症が発生する可能性があります。
過剰症とは、特定の成分を過剰に摂ってしまった場合に起こる症状で、鉄の過剰症には以下のようなものがあります。
肝臓の鉄沈着症
長期間、過剰に鉄分を摂ると肝臓に鉄が沈着しやすくなります。
その結果、インスリンが効き目が弱くなったり、膵臓のβ細胞を障害して糖尿病発症してしまうこともあります。
活性酸素による障害
鉄は通常、細胞内でフェリチンなどとして存在していますが、過剰に鉄が摂取されるとここには収まらない鉄が増加してきて、この過剰な鉄が活性酸素を生成します。
活性酸素はタンパク質、脂質、DNAと反応し、老化やしみ、しわ、パーキンソン病、腎不全などの病気を引き起こしやすくなります。
(※参考 日本内科学会雑誌第99巻第6号)
発がん性
統計では、貯蔵鉄(フェリチン)が多いほど発がんリスクが増大することが報告されています。
肝障害がある場合には、特に鉄の過剰に注意が必要です。
体内の鉄分が過剰になっていないかを判断するためには、血液検査で検査値を確認することが重要です。
検査値の確認の仕方は後述しています。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)で吐き気や嘔吐などの副作用が起こる理由
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)でなぜ、このように吐き気や嘔吐が起こりやすくなるのでしょうか?
吐き気や嘔吐などの副作用は、鉄が胃や腸の壁を刺激するため起こると言われています。
貧血を改善しようと飲む鉄剤の量が多ければ多いほど、吐き気や嘔吐は出やすくなります。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の副作用に対する9つの対策
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の副作用にはどのように対処すれば良いのでしょうか?
まず、大前提として医師から処方されている薬を自己判断で中止することは絶対にしてはいけません。
もし、副作用があり薬の服用の継続が困難な場合は、まずはかかりつけの医師にその旨を伝えるようにしましょう。
その上で、下記のような選択肢もあるのでまずは相談をしてみて、同意があった場合には試すのは良いかと思います。
1. まずは1日にどの程度の鉄分を摂れば良いのかを知る
鉄分が1日にどの程度必要なのかを知らなければ、どこが目的地なのか分からないまま、さまようのと同じです。
一般的な目安として、日本人の食事摂取基準(2020年版)によれば、成人の1日の鉄の推奨量と上限量は以下の通りです。
(フェロミアにより治療中の場合には、必要量が異なる場合もあります)
- 月経のある女性
→推奨量10.5~11.0mg、上限量40mg - 月経なし女性
→推奨量6.0~6.5mg、上限量40mg - 男性
→推奨量7.0~7.5mg、上限量50mg
体内から鉄分は約1日1mgが排泄されます。
では、「1日1mgの摂取量で良いのか」と言うとそうではありません。
一般的に鉄分の吸収率は非常に低いため、これよりもはるかに多く摂る必要があります。
2. 副作用が起きないタイプの鉄分で摂取する
鉄分は大きく以下のように分類されます。
- 非ヘム鉄
- ヘム鉄
- キレート鉄
このうち、フェロミアを含む医療用で処方される薬(病院で処方される薬)は非ヘム鉄の鉄分です。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は、吸収性は低く(2~5%)、胃もたれ・吐き気などの不快感がでやすいデメリットがあります。
食品では海藻類や小松菜、大豆などの植物性食品に多く含まれます。
後述しますが、非ヘム鉄には吸収を促進する成分と阻害する成分があるため、これを知っておくとうまく活用できます。
ヘム鉄
ヘム鉄は、牛肉やレバーなどの動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄に比べて吸収性が高く、その吸収率は15~25%もあります。
国内で販売されている鉄サプリでもヘム鉄のサプリは多くあります。
メリットは吸収率だけでなく、胃の不快感や吐き気などの副作用が生じにくいとされています。
キレート鉄
キレート鉄は、国内では販売されていない鉄剤です。
しかし、アメリカではサプリとして販売されており、国内にいてもiHerbなどのインターネットで購入することができます。
非ヘム鉄にアミノ酸やクエン酸を結合させた鉄で、吸収率が非常に良く、値段も安いため最近非常に話題となっています。
僕も時々飲んでいますが、胃の不快感や吐き気などは一切ありません。
購入時に紹介コード欄に「CPO9696」と入力するだけです。
ちなみに、僕も経験がありますがキャンペーン期間中はもう少し安く購入できる可能性が高いですが、売り切れ商品が多数となります・・・。
キャンペーン期間中に使用できるクーポンと上記の紹介コードは併用できません。
ただし、ヘム鉄や非ヘム鉄では吸収の調節機構があり、ほとんど過剰症が起こらないと言う特徴がありますが、キレート鉄は経路が上記の二つと異なるため吸収率は非常に良いのですが過剰症の危険性があるため注意が必要です。
3. 食事は鉄分の吸収を阻害する
鉄剤を食事と一緒に摂取すると、鉄の吸収率が40~50%低下すると言われています。
このため、なるべく空腹時に摂取すると良いです。
この空腹時とは、食事の前後2時間以上空けたタイミングです。
ただし、非ヘム鉄のサプリや医薬品は前述した通り、吐き気や嘔吐などが出やすいため、やむを得ない場合は食直後に服用しましょう。
これによりおそらく胃腸障害は軽減されます。
その場合であっても、下記の「6.鉄の吸収を低下させる成分」で挙げている非ヘム鉄の吸収を阻害するものを一緒に摂るのは極力避けるべきです。
4. 鉄分を効率的に摂れる食事の摂り方
食事から鉄分を十分に摂れていないために、フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)を服用することになっている訳で、当たり前ですが食事から十分な鉄分が摂れればフェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)服用の必要性はなくなり副作用の心配もなくなります。
食事から鉄分を十分に摂れるようになれば、過剰症や薬との飲み合わせの心配もほとんどなくなり、何より健康的ですね。
通常、ダイエット中や血糖値をコントロールしている方では、食事はまずサラダから摂ると食物繊維が血糖上昇を抑えてくれて良いと指導されていないでしょうか?
しかし、鉄分を効率よく摂りたい場合にはこれはダメです。
理由は、鉄も食物繊維に吸着されて吸収率が低下してしまったり、サラダでお腹がいっぱいになり、たんぱく質の摂取量が低下してしまうため。
まず、ヘム鉄を多く含むたんぱく質から食べて、その後にサラダを食べると鉄分の吸収効率が良いです。
ただし、食物繊維は血糖値などの上昇を防ぐ働きがあるので、何か病院で治療を受けている方は医師に相談の上で行うようにしてください。
5. 鉄分の吸収を促進する成分・鉄分の働きを改善する成分を有効活用
ただでさえ、吸収率が非常に低い鉄分を食事から十分に摂るには、鉄分の吸収を促進したり、鉄の働きを改善する成分をうまく摂り入れるのは絶対に必須です。
他のところで工夫をすれば良いかと思う方もしれませんが、ここを対策なしにはまず無理です。
これらをうまく摂り入れたり、機能させる方法が理解できれば食事から摂る鉄分をうまく活用できます。
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6. 鉄の吸収を低下させる成分を有効活用
日本人の通常の食事では90%近くが吸収率の低い非ヘム鉄の形で摂取されます。
非ヘム鉄はヘム鉄と比べて吸収の低下が起こりやすいです。
鉄分の吸収を促進することとと同じくらい重要なのが、吸収を低下させる成分をなるべく避けることです。
吸収を促進する成分に合わせて、低下させる成分を知っておくことで食事から摂った鉄分を最大限に活用できます。
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7. 鉄不足を解消する為の生活習慣
よく噛む
よく噛むことで胃酸の分泌を促進することができます。
胃酸は非ヘム鉄の吸収を促進することができるので、しっかり噛んで食べるようにしましょう。
鉄製の調理器具を使う
フライパンなどを鉄製すると、料理の度に器具から鉄が少しずつ溶け出します。
鉄製の器具から溶け出した鉄分は腸管内での吸収が良いと言われています。
この他にも、鉄玉と言われるものを味噌汁などに入れると鉄が溶けだし、鉄分を摂れます。
調理の際に簡単にできるし、このような鉄分は吸収が良いとも言われています。
アルコールの飲み過ぎに注意
赤血球を作るには、葉酸やビタミンB12が必要です。
大量の飲酒により、大量の葉酸やビタミンB12が代謝に消費されるため、飲酒量を減らすと良いです。
味付けを工夫する
前述したように、胃酸は鉄の吸収を促進します。
酸っぱいものや香辛料は胃酸の分泌を促進するため、積極的に摂取したいですね。
ダイエットや激しい運動により貧血になりやすい
激しい運動やカロリー制限のダイエットをすると、エネルギー不足が生じやすくなります。
体内ではエネルギー不足が発生すると
糖質→脂質→タンパク質
の順でエネルギーに変換して消費します。
つまり、エネルギー不足が進みと糖質や脂質が枯渇してしまった場合、最終的には筋肉などのタンパク質まで分解して消費してしまうのです。
ヘモグロビン=鉄+タンパク質
ヘモグロビンは鉄とタンパク質で構成されていますので、このエネルギー不足が進むとタンパク質が不足するためヘモグロビンが合成されにくくなります。
つまり、鉄が十分に足りていたとしてもタンパク質不足により、貧血状態になってしまうということです。
この場合の貧血はたいてい月経不順が平行して起こります。エネルギー不足が続くと月経促進ホルモンの分泌が低下し、月経不順が起こります。
これにより、最終的には無月経になってしまいます。
特に発育時期にこの状態が起こると子宮が発達しないまま大人になってしまい妊娠できなくなってしまうため成長期には特に要注意です。
このように、月経不順を伴う貧血の場合、エネルギー不足が原因の貧血である可能性が高く、この場合に出やすい症状として、冷えとうつがあります。
この状態では、糖質が不足し、たんぱく質までエネルギー消費が進んでしまっているため、まず糖質を補うことが優先の対処法となります。
もし、糖質の摂取量を増やすことで症状が改善する場合には、エネルギー不足の貧血と判断できると言えるでしょう。
鉄剤は3か月くらい服用する
前述したように、鉄剤をサプリや医薬品で長期に高用量摂取すると過剰症のリスクがあります。
では、どの程度の期間、鉄剤を継続して飲むのが良いのでしょうか?
鉄剤を飲み始めると、まず機能鉄の鉄が充足されます。
次いで貯蔵鉄の鉄が改善します。
よく分かりやすく例えられるのが、機能鉄は財布の中のお金で、貯蔵鉄は銀行に預けるお金です。
財布の中のお金は、出し入れしやすい特徴があります。
この貯蔵鉄まで補うためには、サプリなどであれば3ヶ月ぐらい継続して摂るのがベストだと言われています。
この期間以上継続して摂取すると、過剰症のリスクが高まりますので一度お休みの期間を挟んで摂取を再開するようにしましょう。
できれば、血液検査の検査値などを確認しながら摂った方が、このような過不足を数値で確認することができるので良いです。
8. 赤血球を効率よく増やすために一緒に摂るべき成分
ダイエットで鉄を摂るのは、赤血球を増やして体の隅々まで酸素をしっかりと巡らせ、有酸素運動をしたときに効率よく脂肪を燃焼させるようにするためです。
(鉄はエネルギー代謝に関わる補酵素に必要な成分なので、鉄を補うことで代謝が上がりやすくなると言うこともあります。)
貧血で鉄を積極的に摂るのは、貧血の原因となっている赤血球を増やすためです。
つまり、鉄を摂るだけでなく、鉄から赤血球が作られないと意味はないのです。
赤血球を作る際には、鉄以外にも必要な成分があり、特にビタミンB12と葉酸は重要です。
ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸の働きを助け、赤血球のDNA合成に必要とされています。
通常、肝臓で蓄えられており、バランスの良い食事をしていれば不足することはありません。
しかし、ビタミンB12の吸収には胃の内因子(胃壁細胞によって作られ分泌される物質)が必要不可欠で
- 菜食主義者
- 手術などで胃を切除した方
- 胃の機能が落ちている高齢者
では不足しやすいため、このような方では積極的に摂取するか、胃を切除した方は注射での投与が必要になります。
また、お酒の代謝にはビタミンB12を消費するので、よく飲酒する方は積極的に摂るべきです。
日本人の食事摂取基準(2020 年版)では、1日2.4μg以上が推奨されていますが、この文章中にもある通り、近年では適正な栄養状態を維持するには低い可能性を示唆する論文が出始めており、通常のサプリに含まれている1日25μg程度摂取するのがお勧めです。(欠乏症では1日300μg以上を使用します)
●さんま120g(中1尾)・・・21.2
●あさり50g(6個)・・・26.2
●しじみ15g(中5個)・・・9.6
●はまぐり60g(中2個)・・・17.0
●さば80g(1切)・・・8.5
●あゆ80g(1尾)・・・4.5
●味付け海苔3g(小10枚)・・・1.7
●牛レバー40g・・・21.1
葉酸
葉酸は赤血球のDNAを合成し、正常な赤血球の形成に必要とされています。
通常は、肝臓に蓄えられているため、バランスの良い食事ができていればあまり不足することはありません。
ただし、ビタミンB12よりも体内での必要量が多く、貯蔵量が少ないため、ビタミンB12と比べると枯渇するスピードは速いです。
ビタミンB12同様、葉酸も飲酒により消費されやすいです。
特に、妊婦はその必要量が通常の倍は増えるため、積極的に摂取しなければいけません。
日本人の食事摂取基準(2020 年版)によれば、各1日の推奨量(μg)は以下の通りです。
●妊婦・・・480
●授乳婦・・・340
●その他の人・・・240
●枝豆50g(40粒)・・・250
●いちご100g(小8個)・・・90
●アスパラガス40g(2本)・・・76
●ブロッコリー100g(1/3株)・・・120
●ほうれん草50g(1/4わ)・・・105
●春菊50g(1/2袋)・・・95
●芽きゃべつ30g(2個)・・・70
●豚レバー50g・・・405
葉酸は加熱により壊れやすい成分なので、調理には注意が必要です。
ビタミンB6
前述したように、ヘモグロビンは鉄原子を含む部分の「ヘム」とたんぱく質の「グロビン」から構成されています。
ビタミンB6はヘムの合成やグロビンなどのたんぱく質の合成にも必要なビタミンです。
以下のような方は体内のビタミンB6の必要量が増加するため、欠乏しやすくなります。
●抗生物質を長期服用している方
●妊娠中
●よくお酒を飲む
●たんぱく質摂取量が多い方
成人の1日のビタミンB6の推奨量は、男性で1.4mg/日、女性で1.1mg/日であり、少なくともこの量以上は摂取しておかなければいけません。
●牛肉(レバー)・・・0.89
●まぐろ(赤身)・・・0.85
●かつお・・・0.76
●鶏ひき肉・・・0.68
●いわし(丸干)・・・0.68
●鶏肉(レバー)・・・0.65
●鶏ささみ・・・0.60
●さば・・・0.51
●納豆・・・0.24
●焼きのり・・・0.59
(参考 ビタミンB6の多い食品と、食品のビタミンB6の含有量一覧表)
動物性食品では、赤身魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれており、植物性食品では、バナナやパプリカ、さつまいも、玄米などにも比較的多く含まれています。
銅
銅は腸管からの鉄の吸収を助け、ヘモグロビンと鉄を結びつける役割を担っています。
通常、不足することはまれと言われていますが、成人の1日の銅の推奨量は、男性で0.9mg/日、女性で0.7mg/日であり、少なくともこの量以上は摂取しておかなければいけません。
●牛肉(レバー)・・・5.3
●ほたるいか・・・3.46
●牡蠣(生)・・・0.89
●いくら・・・0.76
●納豆・・・0.61
●いか(焼)・・・0.49
●たこ・・・0.43
●しじみ・・・0.42
●大麦・・・0.40
●納豆・・・0.61
●干ししいたけ・・・0.50
(参考 銅の多い食品と含有量一覧表)
銅が多く含まれる食品はカキやレバーで、穀類、豆類、木の実などにも含まれています。
9. 赤血球を産生するために効果的な食材とは
赤血球産生に必要な成分は分かりました。
では、実際にどのような食材を摂ると効率が良いのでしょうか?
カツオ
秋獲りかつおには、赤血球をつくるのに必要な栄養素がほとんど入っています。
●鉄(ヘム鉄)・・・1.9mg
●銅・・・0.10mg
●ビタミンB6・・・0.76mg
●ビタミンB12・・・8.6μg
●葉酸・・・4μg
入っていないのは、ビタミンCくらいのものですね。
キャベツ
生のキャベツ100gには、非ヘム鉄の吸収を促進するビタミンCが41mgと豊富であり、葉酸も78μg含まれています。
先ほどのかつおと一緒に食べると、ビタミンCを補えて良い組み合わせと言えます。
レバー
特に、豚や鶏のレバーにはヘム鉄の含有量が圧倒的に多いです。
ただし、レバーにはビタミンAが多く含まれており、摂りすぎには注意が必要です。
レバーの串を1本食べるだけでも、1日の上限量を超えるので、毎日は食べないようにしましょう。
プルーン
生のプルーンには非ヘム鉄が0.2mg、葉酸35μg、ビタミンC4mgが入っています。
乾燥したプルーンには非ヘム鉄が1.0mgと多くなりますが、葉酸とビタミンCがほとんど含まれていません。
小松菜
●鉄(非ヘム鉄)・・・2.8mg
●銅・・・0.06mg
●ビタミンB2・・・0.13mg
●ビタミンB6・・・0.12mg
●葉酸・・・110μg
●ビタミンC・・・39mg
生の小松菜にも、赤血球を作るのに役立つ栄養素が豊富です。
ただ、調理する際に茹でると栄養素は約半分くらいまで減ってしまいます。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)の副作用を乗り越えると得られる効果
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)は、貧血を改善を改善することができるだけだと思っていませんか?
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)などで、体内にしっかり鉄分を補うことは以下の効能があると言われています。
ダイエット効果
鉄は赤血球の産生を高めて、酸素の運搬をサポートし、有酸素運動による脂肪燃焼が効率よく行えるように働きます。
つまり、ダイエットするなら鉄不足を解消すべきだと言えます。
また、糖質をエネルギーに変換する際には、最終段階で電子伝達系と呼ばれる回路を通る必要があります。
この電子伝達系で重要な補酵素が「シトクロムC」であり、これはヘム鉄を含有するたんぱく質から構成されています。
鉄が不足するとシトクロムCが産生されず、糖質からエネルギーへの変換ができなくなるため太りやすくなったり、倦怠感などを感じやすくなります。
貧血気味の方が倦怠感を感じやすいのは、このためです。
貧血改善
貧血には様々なタイプの貧血があります。
●鉄欠乏性貧血
●巨赤芽球性貧血
●再生不良性貧血
●溶血性貧血
●腎性貧血
●出血性貧血
鉄の摂取により改善が期待できるのは、鉄欠乏性貧血のみです。
つまり、貧血でも鉄欠乏性貧血でなければ鉄をいくら摂取しても症状は改善しませんので、その場合は受診が必要です。
ちなみに、貧血の中で最も多いのは鉄欠乏性貧血です。
女性は妊娠、出産、月経などにより鉄不足が起こりやすく、誤ったダイエット法や偏食によっても鉄は不足しやすいです。
思考力改善
ある調査によると、血液中の鉄濃度が低い6~18歳が、鉄を経口摂取することにより、思考力、学習能力および記憶力が改善したと報告されています。
別の報告によれば、体内の鉄の状態が不明の13~18歳の女子が鉄を摂取すると、注意力が改善したと報告されています。
お仕事をされている方や、受験生のお子様にも鉄不足は積極的に改善した方が良いのです。
心不全改善
心不全患者の最大20%程度に鉄欠乏が見られますが、複数の研究により、鉄を注射で投与すると、運動能力など心不全の症状が改善すると報告されています。
注射での投与は、医療機関でしか行うことはできませんが、経口摂取でもこのような作用があるかもしれません。
むずむず脚症候群(RLS)
足に何とも言えない不快感があり、ムズムズして気持ち悪い経験をしたことはないでしょうか?
もしかしたら、それはむずむず脚症候群(RLS)かもしれません。
鉄を経口摂取すると、脚の不快感や睡眠の異常など、むずむず脚症候群の症状が減少することが報告されています。
実際に、むずむず脚症候群の人や鉄濃度が低い人には、症状改善のために鉄の摂取が推奨されています。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)には飲み合わせの悪い薬や要注意の病気がある
「鉄分なんて食品にも入ってる成分なんだから、そんなに深く考えなくとも大丈夫でしょ?」
なんて思ってる方は、病気が悪化したり、飲み合わせの悪さから予期せぬ副作用が発生してからその重要性に気づくタイプです。
悪化した病気は、元通りに回復することができない場合もあります。
最悪、命の危険に繋がる可能性もあります。
脅しではありません。
せっかく体に良かれと思って鉄分を摂ったとしても、かえって体調を悪くすることになっては、全く逆効果です。
鉄剤と飲み合わせが悪い薬
飲み合わせが悪い薬と鉄剤をうっかり併用してしまっている方が非常に多く、原因不明の体調不良に繋がっているケースもあります。
鉄剤と一緒に摂ることで薬の効果が減弱したり、病気が悪化したりすることに繋がるため非常に危険です。
ここの部分については以下のnoteで販売させて頂いています。
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鉄分を積極的に摂るにはかかりつけの医師の確認が必要な病気
胃腸の潰瘍・炎症
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
これらのような胃腸に潰瘍や炎症が病気がある場合には、鉄が胃腸を刺激するため病気を悪化させることがあります。
ヘモグロビンの病気
ヘモグロビンの病気のある患者さんが、鉄を過剰摂取すると鉄過剰症を引き起こす恐れがあります。
ヘモグロビンの病気とは以下のようなものがあります。
- 鎌状赤血球症
- サラセミア
- 鉄芽球性貧血
- 遺伝性球状赤血球症
- 溶血性貧血
- 骨髄異形成
(※ 二次性鉄過剰症 – 13. 血液の病気 – MSDマニュアル家庭版)
(※この他にも「ヘモグロビンの病気」に該当する病気はあります。詳しくは医療機関で確認をしてください。)
当然ですが、鉄分が不足している貧血である「鉄欠乏性貧血」であれば問題はありません。
2型糖尿病
2型糖尿病がある場合には、心疾患を発症するリスクが高まると報告されています。
特に赤身肉などの食品から摂取する場合に心疾患を発症しやすくなると言う報告もあるため、2型糖尿病患者は必ず医師と相談した上で摂取量を決めた方が良いでしょう。
早産児
決して病気というわけではありませんが、早産児に鉄を与える場合には注意が必要です。
新生児が体内に蓄えているビタミンEの量は比較的少量ですが、血液中のビタミン E 濃度が低い早産児が鉄を摂取することにより深刻な病気を引き起こす恐れがあると報告されています。
早産児に鉄分を積極的に与えるようと考えることはあまりないと思いますが、必ず事前に医師に相談するようにしてください。
検査で確認すべき項目
鉄が不足していないか自分で確認できるようになれば、現状どのような状態でどこに向かって努力をすれば良いのか明確になります。
例えるなら、地図上で自分がどこにいて目的地がどこなにかを把握するようなものです。
これがなければ、自分がどこにいて、どこに向かって努力すれば良いのか分かりません。
知っているかどうかで圧倒的に鉄不足を解消する効率が変わってきます。
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